にっぽんまんなか紀行(西脇市観光物産協会)

歴史を語る文化財

加古川水運、コットンロードが人と文化を運んで

播磨国(はりまのくに)は兵庫県の南西部とされていますが、その領域は県の内陸中央やや東側にまで及びます。西脇市は、その北東端にある人口4万4千人のまち。中国山地から播磨平野へ移る地形の変換点に位置します。

市内最高峰、標高713mの西光寺山から南方を望むと、屏風のように重なり連なる山々の向こうに播磨平野が拓け、空気の澄んだ日は瀬戸内海まで遠望できます。一方、まちを貫流する加古川を北へさかのぼると丹波市があり、日本一低い標高95mの中央分水界で由良川の上流、竹田川に繋がって、果ては日本海へ至ります。鉄道開通前は、この由良川と加古川が但馬・丹波・播州と大阪を結ぶ重要な連絡ルートでした。

加えて東西の陸路にも恵まれます。東の京都へは住吉町から篠山へ通じる飛脚路が、「コットン・ロード」として商人たちに親しまれました。西の姫路へは、隣まちの加東市を横切る姫路街道(社街道ともいう。国道372号)が今も重宝されています。

水陸交通の要衝として人と文化が交流してきた西脇市。
ぶらり旅すると、歴史ある寺社や語り継がれる伝承に出会うことでしょう。